「公営社」は区民葬儀の取扱指定店|火葬料金と助成27,000円の検算

まず、この記事の要点

新宿区の公式ページは「(株)公営社」を区民葬儀取扱指定店として掲載しています。区民葬儀の火葬料金59,600円と、令和8年4月に始まった助成の限度額27,000円がどこから出た数字かを、新宿区・港区・文京区の公式ページで検算します。

根拠と詳しい説明へ

筆者は本記事で扱うサービスの利用経験・利害関係はありません。本記事は自治体・省庁の公式情報と公開データを整理したものです。

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「公営社」で調べると、名前に「公営」が付く民間の葬儀社と、自治体がかかわる「区民葬儀」「公営斎場」が混ざって出てきます。新宿区の公式ページを実際に取得して確認したところ、区民葬儀取扱指定店の一覧に「(株)公営社(百人町2-21-1)」が載っていました。指定店は区が指定した民間の葬祭業者で、区の窓口ではありません。

そのうえで、区民葬儀そのものの数字を見ます。火葬料金は大人59,600円、令和8年4月1日に始まった助成の限度額は大人27,000円。この27,000円は「87,000円−59,600円」から出ています。順に確認します。

① 新宿区の指定店一覧に載っているのは民間の葬祭業者

新宿区の区民葬儀のページには「新宿区内の区民葬儀取扱指定店」という表があり、11店が店名・住所・電話番号つきで並んでいます。そのうちの1つが (株)公営社(百人町2-21-1)です。同じ表には帝都典禮(株)・(株)天行社・(有)三國屋なども並んでいます(出典:新宿区「区民葬儀」・2026-08-28確認)。

同社の公式サイトも取得して確認しました。ページのタイトルは次のとおりです。

新宿区の葬儀社・公営社【公式】家族葬・直葬・火葬式承ります

(株式会社公営社 公式サイト・2026-08-28確認)

つまり 「公営」は社名の一部であって、区や都が運営しているという意味ではありません。区民葬儀を申し込む先はこうした指定店であり、区役所が葬儀を執り行うわけではない、という整理になります。

なお当サイトが確認したのは新宿区の一覧と同社公式サイトのトップページまでです。同社の会社概要ページ、および同名の事業者が他地域にあるかどうかは確認していません。

② 区民葬儀は「特別区統一の協定料金」を使う仕組み

制度の説明は、新宿区の助成金ページに最も具体的に書かれています。

区民葬儀とは、全東京葬祭業協同組合連合会に加盟している葬祭業者に申し込みをし、[1]祭壇料金、[2]霊柩車運送料、[3]火葬料金、[4]遺骨収納容器代を特別区統一の協定料金でご利用いただく制度です。

(新宿区「区民葬儀助成金」・2026-08-28確認)

文京区の書き方はこうです。

区民葬儀とは、葬祭費用の負担軽減などの区民要望にこたえるため、全東京葬祭連合会に加盟する区民葬儀取扱業者が行っている葬儀のことです。

(文京区「区民葬儀」・2026-08-28確認。団体名の表記は両区で異なりますが、当サイトはどちらが正式名称かを確認していないため、それぞれの区の表記のまま引用しています)

使える人の範囲は、文京区が次のように書いています。

死亡日において23区内に住所を有していた方の葬儀を行う方。または、23区内に住所を有する方で葬儀を主宰する方。

(文京区「区民葬儀」・2026-08-28確認)

手順は新宿区の3ステップが分かりやすい形です。(1) 区民葬儀取扱指定店に直接申し込む、(2) 死亡届を出す際に窓口で区民葬儀券を申請する、(3) 受け取った区民葬儀券に記入して取扱店に渡す(出典:新宿区「区民葬儀」・2026-08-28確認)。申し込みが先、区民葬儀券は後です。

③ 協定料金は3区で同じ数字だった

「特別区統一」と書かれていても、実際に同じ数字が載っているかは別の話です。新宿区・港区・文京区の3区のページを取得して突き合わせました。

項目区分新宿区港区文京区
祭壇(寝棺含む・税込)金らん5段飾(桐張棺)312,180円312,180円312,180円
祭壇(寝棺含む・税込)金らん4段飾(桐張棺)259,600円259,600円259,600円
祭壇(寝棺含む・税込)白布3段飾(プリント棺)136,400円136,400円136,400円
祭壇(寝棺含む・税込)白布2段飾(プリント棺)100,100円100,100円100,100円
霊柩車(税込)宮型指定車・10kmまで37,400円37,400円37,400円
霊柩車(税込)普通霊柩車・10kmまで19,220円19,220円19,220円
火葬料金(非課税)大人59,600円59,600円59,600円
遺骨収納容器代(税込)大人用2号一式11,990円11,990円—

(新宿区・港区・文京区の各公式ページ・2026-08-28確認。新宿区の表記は「令和7年4月1日現在」。文京区の遺骨収納容器代は当サイトが取得した範囲では表の一部を読み取れなかったため空欄にしています)

3区で数字は一致しました。 ただし確認したのは3区だけで、残る20区の掲載額までは確認していません。祭壇を使わず寝棺だけを使う場合は桐張棺66,000円・プリント棺44,000円で、別途人件費がかかるという注記も3区に共通していました。

もう1点、火葬料金には3区とも同じ注記が付いています。

※この火葬料金は、民間火葬場(戸田葬祭場・多磨葬祭場・谷塚斎場)の料金です。

(新宿区「区民葬儀」・2026-08-28確認。港区・文京区もほぼ同文)

つまり 59,600円は「どこで焼いても59,600円」ではなく、この3施設に紐づいた協定料金です。

④ 助成の限度額27,000円は「87,000円−59,600円」で説明がつく

令和8年4月1日から、23区共通の助成制度が始まっています。新宿区の支給要件は次のとおりです。

(2)対象となる民間火葬場を利用し、最も低廉な火葬料金(87,000円)を支払ったこと

(新宿区「区民葬儀助成金」・最終更新日2026年4月23日・2026-08-28確認)

金額は大人27,000円・小人(満6歳以下)15,000円。そして文京区が、限度額の決まり方まで書いています。

ただし、助成を行うことにより、区民葬儀における火葬料金を下回ることのないよう、基準火葬料金と59,600円との差額から1,000円未満を切り捨てた額が、助成限度額に達しない場合はその額を助成額とします。

(文京区「区民葬儀利用助成のご案内(令和8年4月1日~)」・2026-08-28確認)

この2つを並べると計算できます。

  1. 基準火葬料金 87,000円 − 区民葬儀の火葬料金 59,600円 = 27,400円
  2. 1,000円未満を切り捨て = 27,000円
  3. 新宿区が示す助成額(大人)27,000円と一致

助成は「値引き」ではなく、区民葬儀の火葬料金59,600円まで戻すための差額という設計だと読めます。文京区の文が「区民葬儀における火葬料金を下回ることのないよう」と書いているのは、そういう意味になります。

ここで当サイトが確認できていないことも書いておきます。新宿区のページには87,000円という額は書かれていますが、それがどの斎場のどの炉の料金かまでは書かれていません。当サイトも、この6斎場の料金表そのものを本記事のために取得してはいません。したがって本記事では、87,000円は各区が「基準火葬料金」として示している額、という扱いにとどめます。

⑤ 火葬券が使える火葬場と、助成の対象になる火葬場は重なっていない

ここが実務上いちばん間違えやすい点です。

施設
区民葬儀の火葬料金59,600円が適用される戸田葬祭場・多磨葬祭場・谷塚斎場
令和8年4月開始の助成の対象になる町屋斎場・落合斎場・代々幡斎場・四ツ木斎場・桐ヶ谷斎場・堀ノ内斎場

(新宿区「区民葬儀」および新宿区「区民葬儀助成金」・2026-08-28確認)

2つのリストに重なりはありません。 新宿区は落合斎場について、はっきり書いています。

落合斎場は、区民葬儀(火葬券)の対象ではないため、この火葬料金は適用されません。

(新宿区「区民葬儀」・2026-08-28確認)

なぜこうなったのかは、文京区の注釈が説明しています。

※注釈2 区民葬儀の取扱いを取り止めたことにより、これまで利用できていた火葬券が利用できなくなる民間火葬場

(文京区「区民葬儀利用助成のご案内(令和8年4月1日~)」・2026-08-28確認)

順序としては、先にこれらの火葬場で火葬券が使えなくなり、その差額を埋めるために助成が置かれた、と各区の文からは読めます。だから助成の申請には、区民葬儀券(祭壇券または霊柩車券)を使ったことと、対象火葬場の領収書の両方が要ります。

申請期限は火葬を執り行った日の翌日から2年間で、新宿区・文京区とも同じでした(各区公式・2026-08-28確認)。

⑥ 区民葬儀の料金だけでは葬儀にならない

これも各区が自分で書いています。新宿区の注記はこうです。

(区民葬儀料金に、ドライアイス、遺影写真、会葬礼状、生花、御供物、斎場使用料等は含まれておりませんので、区民葬儀取扱業者に相談してください)

(新宿区「区民葬儀」・2026-08-28確認)

港区はもっと端的です。

区民葬儀の対象となる費用は、祭壇料金と霊柩車運送料金と火葬料金と遺骨収納容器代になり、例えば、遺影写真、生花、飲食費、御供物、斎場使用料等の費用は別途かかるので、区民葬儀の費用だけで葬儀は行えません。

(港区「区民葬儀について」・2026-08-28確認)

区民葬儀は総額を決める制度ではなく、4項目だけを協定料金にする制度です。総額の見え方については 葬儀費用「平均120万円」は本当か——公式料金から積み上げて検算する と 葬儀の追加費用はどこで発生するか——式場・休憩室・待合室の公式料金 で扱っています。

⑦ 港区自身が「公営斎場のほうが安い」と書いている

自治体が自分の制度について書いた文としては珍しい部類だと思います。

公営の臨海斎場で火葬を行えば、遺骨収納容器代を含んだ料金でも、区民葬儀の火葬料金より安価です。区民葬儀は『祭壇料金』と『霊柩車運送料金』と『火葬料金』を取捨選択できますので、臨海斎場をご利用になる場合は、『祭壇料金』と『霊柩車運送料金』に係る区民葬儀券をご利用いただけます。

(港区「区民葬儀について」・2026-08-28確認)

火葬料だけを並べると差はこうなります。

大人1名の火葬料
臨海斎場(組織区民)44,000円
区民葬儀の協定料金59,600円

(臨海斎場「使用料金」・2026-08-16確認/新宿区・港区・文京区・2026-08-28確認。差は15,600円)

ただし条件があります。臨海斎場の組織区は港区・品川区・目黒区・大田区・世田谷区の5区で、同じ23区民でもこの5区以外は組織区外料金になります(→ 公営斎場と民間斎場は何が違うか——使える人・料金・待ち日数)。港区が自区の住民に向けてこう書けるのは、港区が組織区だからです。同じ文を他の区がそのまま使えるわけではありません。

港区の文がもう1つ示しているのは、区民葬儀券は4項目まとめてでなくてよいということです。火葬は公営斎場、祭壇と霊柩車は区民葬儀券、という組み合わせができます。

⑧ 制度の呼び方が区によって違う

同じ助成でも、ページの見出し語が3区で違いました。

区ページ上の呼び方
新宿区区民葬儀助成金
港区区民葬儀補助金
文京区区民葬儀利用助成

(各区公式・2026-08-28確認)

検索するときは制度名を固定せず、「(住んでいた区の名前) 区民葬儀」で区の公式ページに入るのが確実です。申請の窓口も区によって違い、新宿区は戸籍住民課、文京区は福祉政策課でした。

当サイトが確認できたこと・できなかったこと

確認できたこと。

  • 新宿区の区民葬儀取扱指定店の一覧に (株)公営社が掲載されていること
  • 祭壇・霊柩車・火葬・遺骨収納容器の協定料金が、新宿区・港区・文京区の3区で同額であること
  • 助成限度額27,000円が、87,000円と59,600円の差から1,000円未満を切り捨てた額と一致すること
  • 火葬券が使える3施設と、助成の対象になる6斎場が重なっていないこと

確認できなかったこと。

  • 残り20区の掲載額と、助成の申請窓口・運用
  • 基準火葬料金87,000円が、6斎場のどの炉の料金にあたるか
  • 株式会社公営社の会社概要、および同名の事業者が他地域にあるかどうか
  • 文京区の遺骨収納容器代の全項目(当サイトが取得した範囲では表の一部を読み取れませんでした)

葬祭費など、葬儀のあとに申請する給付は区民葬儀とは別の制度です(→ 葬祭費はいくらもらえるか——6都市の実額一覧(3万〜7万円)、葬祭費の申請期限は2年——時効で消える給付金の申請手順)。区民葬儀券は死亡届のときに窓口でもらうものなので、もらう順番だけは葬儀の前になります。時間があるうちに、故人が住む区のページを1つ開いておけば足ります。

出典

  • 新宿区 区民葬儀 (2026-08-28 取得) 区民葬儀料金(令和7年4月1日現在)の4項目と、新宿区内の区民葬儀取扱指定店11店の一覧。(株)公営社(百人町2-21-1)を含む。火葬料金59,600円が民間火葬場(戸田葬祭場・多磨葬祭場・谷塚斎場)の料金であること、落合斎場が火葬券の対象外であることの原典
  • 新宿区 区民葬儀助成金 (2026-08-28 取得) 最終更新日2026年4月23日。令和8年4月1日以降の助成制度。支給要件に「最も低廉な火葬料金(87,000円)を支払ったこと」と金額が明記されている唯一の確認先。対象火葬場は町屋・落合・代々幡・四ツ木・桐ヶ谷・堀ノ内の6斎場。助成額は大人27,000円・小人15,000円、申請期限は火葬の翌日から2年
  • 港区 区民葬儀について (2026-08-28 取得) 更新日2026年4月2日。祭壇・霊柩車・火葬・遺骨収納容器の料金が新宿区と同額であることの確認先。「公営の臨海斎場で火葬を行えば、遺骨収納容器代を含んだ料金でも、区民葬儀の火葬料金より安価です」と区自身が書いている原典
  • 文京区 区民葬儀 (2026-08-28 取得) 更新日2026年4月9日。祭壇・霊柩車・火葬料金が新宿区・港区と同額であることの3区目の確認先。霊柩車運送料金は令和7年4月1日改定で、改定前後の両方が併記されている
  • 文京区 区民葬儀利用助成のご案内(令和8年4月1日~) (2026-08-28 取得) 更新日2026年4月1日。助成限度額の算式「基準火葬料金と59,600円との差額から1,000円未満を切り捨てた額」と、対象火葬場が『区民葬儀の取扱いを取り止めたことにより、これまで利用できていた火葬券が利用できなくなる民間火葬場』であることの原典
  • 新宿区の葬儀社・公営社【公式】家族葬・直葬・火葬式承ります (2026-08-28 取得) 同社公式サイト。ページのtitleは「新宿区の葬儀社・公営社【公式】」、meta descriptionは「新宿区の家族葬・お葬式・直葬・火葬式などは、ソア公営社グループの葬儀社・公営社にお任せください」。新宿区百人町にホールを置くと記載
  • 臨海斎場 使用料金 (2026-08-16 取得) 組織区=港・品川・目黒・大田・世田谷の5区。火葬料は組織区民44,000円/組織区外88,000円。港区の記載を検算するための原典

最終更新: 2026-08-28